こちらの記事は
の続きになります。
■中医学から見たアトピー性皮膚炎
暑くなり皮膚のトラブルが増えます。
特にアトピー性皮膚炎を患っている方は痒み、熱感が辛く感じることが多いと思います。
アトピー性皮膚炎は中医学では大きく2種類に分けて考えていきます。
・血熱型
皮膚表面が紅くなり、丘疹や小水疱、糜爛(びらん)を伴い苔癬になり強い痒みを感じます。
・血燥型
皮膚表面が乾燥して、掻くと落屑する(皮膚表面の表皮が乾燥して脱落する)
また亀裂が生じて出血し、痒みと共に焦燥感も感じる事があります。
共通するのは共に顔、首、肘、手、膝などで、特に顔に強く症状が出ます。
■漢方薬剤師から見た「アトピー性皮膚炎で避けたい事」。
さて、これらのアレルギーは蕁麻疹や接触性皮膚炎を併発する事が多いです。
食べ物や環境には注意して過ごすことが大切です。
・辛すぎる食事
・冷たい飲み物
・甘い菓子
・クーラーにずっとあたる
これらは避けるようにしてください。
クーラーにずっとあたっていると皮膚乾燥が進みます。
これらは痒みがかなり増えます。
前回も書きましたが、とても難しい病気なので良く相談して薬を使用して下さい。
■後日談
輝風音
「阿部先生、今回も漢方薬コラムの記事を本当に有難うございます」
阿部先生
「あぁいえいえ、こちらこそ何時も記事を載せてくださって本当に有難うございます」
輝風音
「ちなみに先生、皮膚病のコラムではオススメ漢方薬みたいな記事部分が無かったのですが、漢方薬では皮膚病って難しいのですか?」
阿部先生
「よくぞ聞いてくれました。
そうなのです、実は漢方薬による皮膚病治療は漢方薬剤師の腕次第ですので、一般的な・・・と言う事が出来ない分野なのです」
陽水丸
「でもドラッグストアに行きますと、西洋薬ですが結構皮膚病用の薬って出てますよね?」
阿部先生
「陽水丸さんも良く聞いてくれました。
そうなのです。
基本的に西洋薬における皮膚病用の薬というのは、ステロイドを中心とした痒みや炎症を抑えるだけの薬が多いのです。
例えば車を思い浮かべて下さい。
車の排気筒がある日突然真っ黒になっていました。
陽水丸さんならどうしますか?」
陽水丸
「そうですね・・・取り敢えず排気筒を磨いて、異物が無いかチェックして、それからカーディーラーに電話・・・でしょうか?」
阿部先生
「そうですね、正しい対処だと思います。
つまり、排気筒を磨くと言う行為のためだけに、何十種類ものウェスや研磨剤が出ているように、症状を抑えるためだけにドラッグストアには何十種類と言う数の皮膚病薬が出ているような物なのです。
車の例で言いますと、なぜ陽水丸さんはカーディーラーに電話しようと思いました?」
陽水丸
「そうですね・・・いやもしかしましたら、車の中の部品がおかしくなっているから、そんなに排気筒が真っ黒になってしまったのだと思うからです」
阿部先生
「そうなのですよね。
ある日突然排気筒が真っ黒になったと言うことは、そこには車の内部に何らかのトラブルがあった事を示しています。
車に乗っていらっしゃる方なら、直ぐに察しが付くはずなのです。
しかし、車なら分かりますのに、人間の身体になると途端にこれが分からなくなります。
症状をどれだけ抑えたとしても、内臓にトラブルが出ている限り、症状は収まらないからです。
これを内臓の疾患に見出すのが中医学であり、漢方薬処方の腕なのです」
陽水丸
「あー・・・確かにそう仰られると凄く納得がいきます」
阿部先生
「例えば、蕁麻疹が出て当漢方薬局にいらしたとします。
西洋医学では、蕁麻疹と言う症状を抑えるための薬しか出してくれません。
あるいは、掻いてしまった後の化膿止めが処方されるくらいです。
しかし、東洋医学ではここにまず、肝臓のトラブルや腎臓のトラブルを見出しています。
肝臓が冷えても熱を持っていても実は蕁麻疹は出るのです。
ですので、肝臓が冷えているか熱を持っているのか、また、それがどこの疾患から来ているのか、食生活か、服装か、ストレスか・・・これらを総合して判断する必要がありますので、一般的な処方が書けないのです」
陽水丸
「凄い大変な判断が必要になってしまうのですね」
阿部先生
「そうですね、実際に、簡単な相談かと思われた患者様の蕁麻疹に関する処方までに1時間をかけると言うのはザラです」
輝風音
「東洋は占星術もそうですが、医術もやはりしっかりと聞く所から始まるのは基本ですね」
阿部先生
「そうですね。輝風音先生が今回はご一緒ですので私も心強いです。
心身共に本当の治癒を目指していきたいですね」
輝風音
「そうですね、私もまだまだ半人前ですが、阿部先生とご一緒に頑張っていきたいと思いますので、どうかこれからもよろしくお願いいたします」
阿部先生
「こちらこそ、どうかよろしくお願いいたします」